これ1台あるだけでなんでもできる名車

スズキ ハスラー

5代目ワゴンRのプラットフォームを共有し、2014年に誕生したハスラーがモデルチェンジ。
初代を所有するテリーさんから見て、新型は進化したのか、それとも…。

必要にして十分! 初代ハスラーは神

 今回はいきなり結論から言いますよ。ハスラーは最高です!この車に難癖をつけるのなんて、よっぽどの変わり者だけ。デザインにしても、走りにしても文句のつけようがない。誰が乗っても「これで十分じゃん」って思えるはずです。
 事実、沖縄とか北海道へ行くと、レンタカーとしてハスラーがめちゃくちゃ使われています。それって必要十分な車であることの証しだよね。市街地でキビキビ走るし、高速道路を巡航しても疲れないし、4WDもあるから雪道だってへっちゃら。
 実は、私もハスラーが発売されたと同時に購入しちゃった人間です。トヨタFJクルーザーも所有しててね、それと同じくボディは黄色、屋根は白にして今も奥さんに乗ってもらってます。純正色だと屋根が黒なので、色付きのフィルムを車体に貼るカーラッピングで白に変えてね。
 で、私の家の前は結構な斜度の坂道なんですよ。当然、いろいろな車でその坂を登るわけ。そこでもハスラーはすごく軽快。いつも気持ちよく出かけられるんだよね。

ワゴンRは軽自動車の存在意義を変革した

ハスラーがそうであったように、ベース車となったワゴンRの登場も衝撃的だったよね。革命的だったと言ってもいいかもしれない。初代の販売開始は1993年だから、もう27年も前になるんだね。確かね、初代はモーターショーで発表されて、あまり間を空けずに発売になったんですよ。1年とか半年前からリリース情報を小出しにしてユーザーをあおるのが、当時もプロモーションとしては一般的だったんだけど、ワゴンRは電光石火で発売した。それにも驚かされたんだよね。
 それで出てきたのが、あのデザインでしょ。あれは、それまでのカーデザインの方向性をガラッと変えちゃうほどの衝撃でした。僕ね、若い頃俳優の夏木陽介さんと仲良くさせてもらってたんですよ。ある日、サウナで一緒になった夏木さんに「今、気になってる車はなんですか?」って聞いたら、「ワゴンRだね」って。夏木さんといえば、ロールス・ロイスとかメルセデスとか、古いジャガーとか、名だたる名車を乗り継いでいた芸能界屈指の車好きですよ。その方が、軽自動車に心引かれてるってのにびっくりしたよね。「この車には貧しさを感じない」というのが夏木さんの意見。まさにそのとおりなんだよね。お金がないから仕方なくこの車にしました、みたいな貧乏ったらしさがないじゃない。ワゴンRが好きだからワゴンRを買う! 胸を張って買える軽自動車のはしりだよね。イギリス人にとってのミニ、フランス人にとってのルノー キャトルみたいな存在感がありましたよ。

新型ハスラーからはメーカーの葛藤を感じる

 そのワゴンRに、時代が求めるアウトドアテイストまでプラスしちゃったのがハスラー。家族でバーベキューに行ったりさ、背伸びしないアクティブで幸せな休日を描きやすい、今の日本に一番求められるジャンルだもん。そりゃヒットしますよ。
 ただね、スズキが必死で掘り当てた金の鉱脈も、すぐに後発車に荒らされちゃうわけだ。ホンダN-VANダイハツウェイクなんかが出てきて、どんどんシェアを食われていく。すると、スズキは攻勢に出ようとして、あろうことかスペーシア ギアなんてコンセプト丸かぶりの車まで出しちゃった。これじゃまるで共食いだよね。
 こうなると、スズキとしては負けるわけにいかないから頭を使いますよね。フルモデルチェンジしたハスラーにも、その苦労が見て取れる。頭で考えすぎちゃって、苦し紛れになっているような気がするな。新型ハスラーのインパネ見ました?キーカラーで縁取られた箱が3つ並んでるやつ。あれって誰が望んでます? アウトドア感を出そうとするあまり、おかしな方向に行っちゃってますよ。デザインは、もっとシンプルでいいと思うんだよなぁ。
 私が今一番注目してるのはホンダの動向。新型フィットで完全に生まれ変わって、ホンダeや秋にモデルチェンジするN-ONEで、シンプルデザインの流れを推し進めていくはず。ホンダは、いち早く強面でゴテゴテしたデザインから抜け出しました。
 軽自動車のハイトワゴンとSUVのクロスオーバーという金の鉱脈を、これからも守っていきたいというのは分かります。ただ、それだったら、スズキも過剰なアウトドア感は排除してもよかったんじゃないかな。


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ハスラーの系譜をご紹介 ベース車両、ワゴンRの変遷

ワゴンRの登場は1993年。1640mmという背高ボディで室内の広さを確保し、軽自動車の概念を変えた革命的な車。ワゴンRの誕生以後、軽自動車は各社トールワゴン(ハイトワゴン)が主流になった。6代目となる現在のワゴンRもマイルドハイブリッドをほぼ全車に採用するなど進化を続け、安定的な人気を保っている。

◆1993年 初代


◆1998年 2代目


◆2003年 3代目


◆2008年 4代目


◆2012年 5代目

初代ハスラーと共通プラットフォーム


◆2017年 6代目



ハスラーの系譜をご紹介 ハスラーの変遷


◆2014年 初代

5代目ワゴンRと共通のプラットフォームで開発。軽トールワゴンとSUV、両方の要素を融合させた軽クロスオーバーという新ジャンルの軽自動車。RJCと日本自動車殿堂の2団体のそれぞれのカー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、一気に主力モデルへと駆け上がった。


◆2020年 2代目

新型ハスラーは、特徴的な丸目フェイスはそのままに、直線的なデザインでより道具感、無骨さが際立つ。また全車にマイルドハイブリッド、ターボ車にアダプティブクルーズコントロールを搭載するなど、スズキの最先端技術も備える。受注も好調で先代に続くヒット車種に。

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